グリム童話
2012年06月10日
ラプンツェル考
グリムのラプンツェルの元になったと言われるシュルツの小説ラプンツェル。その原典となったのはイタリアやフランスに伝わるペルシネット(パセリからきた名前/ペトロシネッラなどいろいろ)のお話だそうです。
ほとんど同一キャラと考えてもよいこのヒロイン達は、結末こそ少しづつ違うものの、
みな名付け親の養母(ゴテル)である魔女にとても可愛がられて育ちます。洋服も部屋も教育も上質なものを与えられ、お日様の下にいる中で一番の美しさも歌の才能も魔女が与えたものとされるバターンが多いのです。
年老いて真新しい輝く命に夢中な魔女の愛情につけこんでわがまま放題に要求をエスカレートさせ、はては全財産を巻き上げてしまうという当時の庶民のたくまさを思わせるお話まであります。
グリムのラプンチェルは、まだ大人しいほうで、ただ塔に初めて見る男性として現れた王子と恋をするだけです。
でもそれこそが魔女が一番怖れていたこと・・だからこそ初潮を経て子を生むことのできる12歳という年齢で塔に閉じ込めたのですから。
妊娠がばれて・・といっても当の二人はそのことを知らないけれど、王子とラプンチェルは塔を追い出されてそれぞれ、血のにじむ苦労をしたものの7年後に再会。荒地で生まれた男女の双子を伴って王子の国に帰りハッピーエンドとなるのですが、
魔女の教育のおかげで、ラプンチェルは気後れすることなく王妃となって幸せに暮らしたことでしょう。
貧しい農夫婦の下で育つより結果的には幸せな人生だったように思えます。
魔女のその後は不明ですが、この物語でいちばん哀れなのは年老いた魔女なのではないでしょうか。
ほとんど同一キャラと考えてもよいこのヒロイン達は、結末こそ少しづつ違うものの、
みな名付け親の養母(ゴテル)である魔女にとても可愛がられて育ちます。洋服も部屋も教育も上質なものを与えられ、お日様の下にいる中で一番の美しさも歌の才能も魔女が与えたものとされるバターンが多いのです。
年老いて真新しい輝く命に夢中な魔女の愛情につけこんでわがまま放題に要求をエスカレートさせ、はては全財産を巻き上げてしまうという当時の庶民のたくまさを思わせるお話まであります。
グリムのラプンチェルは、まだ大人しいほうで、ただ塔に初めて見る男性として現れた王子と恋をするだけです。
でもそれこそが魔女が一番怖れていたこと・・だからこそ初潮を経て子を生むことのできる12歳という年齢で塔に閉じ込めたのですから。
妊娠がばれて・・といっても当の二人はそのことを知らないけれど、王子とラプンチェルは塔を追い出されてそれぞれ、血のにじむ苦労をしたものの7年後に再会。荒地で生まれた男女の双子を伴って王子の国に帰りハッピーエンドとなるのですが、
魔女の教育のおかげで、ラプンチェルは気後れすることなく王妃となって幸せに暮らしたことでしょう。
貧しい農夫婦の下で育つより結果的には幸せな人生だったように思えます。
魔女のその後は不明ですが、この物語でいちばん哀れなのは年老いた魔女なのではないでしょうか。
2012年06月07日
ラブンツェル考

魔女狩りという忌まわしい時代がくるのはまだ先のこと。
彼女は魔法という特殊能力を手に入れるために・・・もちろん天性の資質があったとはいえ、たくさんの犠牲を払ったことでしょう。その最たるものは結婚しない=異性と交わらず子を持たない事。
白雪姫の母魔女のように例外はたくさんありますが・・
思春期の処女の霊性は魔法の修練に必須の条件のように思われます。
プライド高く自由に生きた彼女も年を経て「魔法使いのおばあさん」と
呼ばれる頃になると哀れ、孤独に耐えきれず、
我が偉大なる魔法の後継者が必要との言い訳のもと赤ん坊を盗み、買い、あるいはだまし取るというなりふり構わぬ行為に。
かくしてラプンツェルは貧しい農夫婦から奪われ魔女に育てられることとなります。
ではラプンツェルは哀れな犠牲者なのか
2011年10月29日
新作「森へ」アップしました。

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ギャラリー喜翔浪漫館
内で連載中の「リトルイースト物語」に
絵が完成した2ページ分を追加。
ストーリーに沿った内容ではありますが、いままでにも描いてきたテーマ
「迷子の不安と孤独の至福」がよく現れた作品となりました。
旧作「椿の森で」は一人ぼっちですが、今回は双子なので孤独観は薄らいでいます。

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2011年10月25日
グリム幻想カテゴリー販売開始

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百奇夜行展をきっかけに、せっかく額装したので、
喜翔おひめさまSHOP内にグリム幻想カテゴリーを追加、
販売を開始しました。
「ギャラリー喜翔浪漫館」内の連載「リトルイースト」のために描いた作品を販売していく予定です。
おひめさまもおいおい登場予定ですが、まずは脇役から・・。



囚われの王子販売ページへ→
乳母販売ページへ→
門衛F販売ページへ→
門衛R販売ページへ→
2人の門衛なんか、ドアの左右にセットで掛けたら、素敵だと思うのですが・・
2008年12月08日
小悪魔系おひめさま絵「白雪姫」完成!
遅ればせながらやっとのことで、おひめさま絵第一作「白雪姫」が完成しました。
ディズニーとは違う「小悪魔系白雪姫」を目指したものの・・??好みが分かれる仕上がりでしょうか。でき上ったばかりの作品というのは、いつも「う〜ん!やっちまったなあ」気分で、自分では出来が良いのか悪いのかさっぱり分からない状態です。
どちらかというと嫌悪感のほうが大きいかもしれません。
こんな色にするつもりじゃなかった。・・とか、顔がもうちょっとかわいくできたはずだ・・とか。
額装したりホームページにアップしたり、少し距離を置いて見られるようになると、やっと目が慣れるせいなのか、どんな作品も愛着がわいていとおしくなってきます。
というわけで画家本人にもいまだ良くわからない白雪姫ですが、かわいい
といってくださる方が増えることをこころより願っています。
おひめさま絵販売ページはこちら→


ディズニーとは違う「小悪魔系白雪姫」を目指したものの・・??好みが分かれる仕上がりでしょうか。でき上ったばかりの作品というのは、いつも「う〜ん!やっちまったなあ」気分で、自分では出来が良いのか悪いのかさっぱり分からない状態です。
どちらかというと嫌悪感のほうが大きいかもしれません。
こんな色にするつもりじゃなかった。・・とか、顔がもうちょっとかわいくできたはずだ・・とか。
額装したりホームページにアップしたり、少し距離を置いて見られるようになると、やっと目が慣れるせいなのか、どんな作品も愛着がわいていとおしくなってきます。
というわけで画家本人にもいまだ良くわからない白雪姫ですが、かわいい


おひめさま絵販売ページはこちら→


2008年09月28日
喜翔おひめさまSHOP本日開店/特集白雪姫
白雪姫ただ今制作中!
(販売は11月上旬予定もうしばらくお待ちください。)
テーマは「魔性」です。
グリム童話初版本(白水社/初版グリム童話2参照)では、白雪姫を殺そうとする魔女は実の母になっています。彼女は縫い物をしていて指をさし、雪の上に落ちた自分の血を見て、「雪のように白く、血のように赤く、窓枠の黒檀のように黒い子が欲しい・・」と望み、そのとおりの雪のように白い肌の、血のように赤い唇の、漆黒の髪の王女を授かります。
第2版以降、実母→継母に書き変えられていますが、私は実母のほうが物語としても納得できる気がします。
普通の高貴な育ちの王妃が「雪に落ちた血を見て・・・」こんなことを望むのは変です。極端に耽美的な傾向のある者の発想であり、後に世界一の美女の座を白雪姫に奪われて(自業自得ですが)、殺そうとまでする魔女のキャラクターと一致するように思えます。
白雪姫は生まれながらに、母である魔女に「美」という呪いをかけられて生まれたことになります。そして呪いは遺憾なく発揮され、はや7歳にして母をも凌駕する世界一の美女となり波乱の人生をたどることとなります。さすがに7歳では後に王子と結婚したのはいったい何歳??との疑問がわくので、今回の絵は13〜14歳くらいに設定しました。
余談ながらディズニーファンの皆さまにはごめんなさい。私、ディズニーが大嫌い。白雪姫に水色と黄色のドレス、ピンクのリボン
を身につけさせるなんて許せません
シンデレラもいばら姫(オーロラ姫)も人魚姫も・・!ちなみに好きなのはエロール・ル・カインの絵本のお姫様たちです。
さて魔女の血を引く上に「美」の呪文をかけられた魔性の姫君は、その前に現れるすべての男をとりこにしてゆきます。暗殺を命じられたけれど、殺すことができなかった猟師、7人の小人、そして隣国の王子。ほとんど登場しないけれどたぶん父王も・・。
何度言い聞かせても変装した魔女にだまされてしまう白雪姫を、見捨てることなく守ろうとする小人たち。
王子にいたっては出会った時はすでに遺体。それを貰い受け、うっとりと見守り続け、片時も離れるのがいやでガラスの棺をどこへ行くにも部下の兵士に担がせて持ち運び・・となるとかなり異常な、偏執的というかストーカー的行動ですが、それもこれも元はといえば魔女の呪いによる白雪姫の異様な美しさによるのでしょう。
ここも各説ありですが上記の本によると、あまりのばかばかしさに怒った兵士の一人が白雪姫の死体を抱き起こして背中をどついた事で、りんごのかけらが白雪姫ののどから飛び出して姫は生き返り・・・めでたしめでたしの結婚式。
魔女はといえば、美しいと評判の隣国の新王妃をその目で確かめたくて、のこのこ結婚式に出かけていって、火に焼かれた鉄の靴をはかされ死ぬまでダンスし続けるという、グリムらしい残酷な終わり方。
この・・「世にも美しく、下世話で残酷なのに、愛によってすべてが解決・・」的グリムやペローの童話世界を少しづつですが、絵にしていきたいと思っています。
次はラプンツェルの予定。やっぱり魔女が登場します。
追記 喜翔おひめさまSHOP本日開店です。どうぞ、ごひいきに・・。
URL http://ohimesamashop.ocnk.net/


テーマは「魔性」です。
グリム童話初版本(白水社/初版グリム童話2参照)では、白雪姫を殺そうとする魔女は実の母になっています。彼女は縫い物をしていて指をさし、雪の上に落ちた自分の血を見て、「雪のように白く、血のように赤く、窓枠の黒檀のように黒い子が欲しい・・」と望み、そのとおりの雪のように白い肌の、血のように赤い唇の、漆黒の髪の王女を授かります。
第2版以降、実母→継母に書き変えられていますが、私は実母のほうが物語としても納得できる気がします。
普通の高貴な育ちの王妃が「雪に落ちた血を見て・・・」こんなことを望むのは変です。極端に耽美的な傾向のある者の発想であり、後に世界一の美女の座を白雪姫に奪われて(自業自得ですが)、殺そうとまでする魔女のキャラクターと一致するように思えます。
白雪姫は生まれながらに、母である魔女に「美」という呪いをかけられて生まれたことになります。そして呪いは遺憾なく発揮され、はや7歳にして母をも凌駕する世界一の美女となり波乱の人生をたどることとなります。さすがに7歳では後に王子と結婚したのはいったい何歳??との疑問がわくので、今回の絵は13〜14歳くらいに設定しました。
余談ながらディズニーファンの皆さまにはごめんなさい。私、ディズニーが大嫌い。白雪姫に水色と黄色のドレス、ピンクのリボン



さて魔女の血を引く上に「美」の呪文をかけられた魔性の姫君は、その前に現れるすべての男をとりこにしてゆきます。暗殺を命じられたけれど、殺すことができなかった猟師、7人の小人、そして隣国の王子。ほとんど登場しないけれどたぶん父王も・・。
何度言い聞かせても変装した魔女にだまされてしまう白雪姫を、見捨てることなく守ろうとする小人たち。
王子にいたっては出会った時はすでに遺体。それを貰い受け、うっとりと見守り続け、片時も離れるのがいやでガラスの棺をどこへ行くにも部下の兵士に担がせて持ち運び・・となるとかなり異常な、偏執的というかストーカー的行動ですが、それもこれも元はといえば魔女の呪いによる白雪姫の異様な美しさによるのでしょう。
ここも各説ありですが上記の本によると、あまりのばかばかしさに怒った兵士の一人が白雪姫の死体を抱き起こして背中をどついた事で、りんごのかけらが白雪姫ののどから飛び出して姫は生き返り・・・めでたしめでたしの結婚式。
魔女はといえば、美しいと評判の隣国の新王妃をその目で確かめたくて、のこのこ結婚式に出かけていって、火に焼かれた鉄の靴をはかされ死ぬまでダンスし続けるという、グリムらしい残酷な終わり方。
この・・「世にも美しく、下世話で残酷なのに、愛によってすべてが解決・・」的グリムやペローの童話世界を少しづつですが、絵にしていきたいと思っています。
次はラプンツェルの予定。やっぱり魔女が登場します。
追記 喜翔おひめさまSHOP本日開店です。どうぞ、ごひいきに・・。
URL http://ohimesamashop.ocnk.net/
